今年も3月11日がやってきました。
毎年この日がくると、母の言葉を思い出します。
13年前の今日の翌日か数日後、テレビで被災地の様子を二人で見ていた時でした。
「戦争中みたいだね」
母は某都市の大空襲を生き延びました。
津波に襲われた東北の町の光景が、
焼け野原と化した故郷と重なったのでしょうか。
母の父親、私の祖父にあたる人は戦死しました。
住み慣れた我が家だけでなく、
大切な家族までをも失った当時の自分が
被災された方々の姿と重なったのでしょうか。
戦争と自然災害とは違うと言われるかもしれません。
でも、ある日突然、大切なものを奪われてしまう点では同じです。
歴史的な悲劇は、無数の人々の悲しみ、苦しみ、
悔しさ、憤りから成り立っている、と思う。
たとえ教科書では、ほんの数行、
あるいはたった一言でしか語られていなくても。